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社会人3年目でも遅くない。生命保険・医療保険の選び方入門

2026.02.24

「保険は入ったほうがいいの?」「会社の先輩に勧められたけど、よくわからないまま契約してしまった」。20代後半〜30代前半は、保険について初めて真剣に考えるタイミングです。しかし保険は種類が多く、営業トークに流されて不要な商品に加入してしまうケースが後を絶ちません。この記事では、保険の基本的な仕組みと、自分に本当に必要な保障を見極めるための考え方を解説します。

そもそも保険は「何のために」入るのか

保険の本質は「めったに起こらないが、起きたら経済的に致命傷になるリスク」に備えることです。風邪で病院に行く程度の出費なら貯蓄で対応できますが、大きな手術で数十万円の自己負担が発生したり、一家の大黒柱が亡くなって収入が途絶えたりするような事態は、貯蓄だけではカバーしきれない場合があります。

逆に言えば、貯蓄で対応できるリスクにまで保険をかけるのは非効率です。保険料は「安心料」ではなく「リスク移転のコスト」です。必要な保障を見極め、不要な保障は削る。これが保険選びの大原則です。

日本には「高額療養費制度」があり、月の医療費の自己負担額には上限が設けられています。年収約370〜770万円の人なら、どれだけ医療費がかかっても自己負担は月額約8〜9万円程度です。この制度を知らずに手厚い医療保険に入っている人は少なくありません。

保険の種類を理解する

保険は大きく分けて「生命保険」と「損害保険」の2つがありますが、ここでは個人が検討すべき主要な保険に絞って解説します。

種類保障内容必要な人
定期保険(掛け捨て)死亡時に保険金が支払われる。保障期間が決まっている扶養家族がいる人(配偶者・子ども)
終身保険死亡時に保険金が支払われる。一生涯保障が続く葬儀費用の準備、相続対策が必要な人
医療保険入院・手術時に給付金が支払われる貯蓄が少ない人、自営業・フリーランス
がん保険がんと診断された場合に一時金・治療費が支払われるがん治療の先進医療に備えたい人
就業不能保険長期間働けなくなった場合に収入を補填する自営業者、住宅ローンがある人

独身で扶養家族がいない場合

正直に言うと、独身で扶養家族がいない20代〜30代前半の人に、高額な生命保険は不要です。自分が亡くなったときに経済的に困る人がいないからです。最低限の医療保険、あるいは医療保険すら不要という考え方もあります。高額療養費制度を前提にすれば、貯蓄が100万円以上あれば当面の医療費はカバーできます。

結婚した・子どもが生まれた場合

家族ができたタイミングで最も重要になるのが「死亡保障」です。世帯の稼ぎ手に万一のことがあった場合、残された家族が生活に困らないだけの保障が必要です。定期保険(掛け捨て型)なら月額数千円で数千万円の死亡保障を確保できるため、コストパフォーマンスに優れています。

必要な保障額の考え方

「保障額はいくらが適正か」は、一律には決められません。家族構成、年収、貯蓄額、住宅ローンの有無、配偶者の就労状況によって大きく変わります。基本的な考え方は以下のとおりです。

  1. 遺族の生活費を計算する — 現在の月間生活費の70%を目安に、末子が独立するまでの年数を掛ける
  2. 公的保障を差し引く — 遺族基礎年金、遺族厚生年金の支給額を確認する
  3. 既存の資産を差し引く — 預貯金、退職金、住宅ローンの団体信用生命保険(団信)を加味する
  4. 不足分が必要保障額 — この不足分を民間の保険でカバーする
住宅ローンに団体信用生命保険(団信)がついている場合、契約者が亡くなるとローン残高がゼロになります。つまり住居費の心配は不要になるため、必要保障額はその分だけ下がります。保険を検討する際は、団信の有無を必ず確認してください。

保険の見直しタイミング

保険は「一度入ったら放置」ではなく、ライフステージの変化に合わせて見直すものです。以下のタイミングで保障内容を再チェックしましょう。

ネット保険 vs 対面保険

近年はネットで完結する保険が増えています。それぞれのメリット・デメリットを整理しましょう。

比較項目ネット保険対面保険
保険料安い(人件費・店舗費が不要なため)やや高い
商品のわかりやすさシンプルな商品が多い複雑な商品も取り扱い可能
相談・アドバイスチャットやコールセンターで対応担当者に細かく相談できる
加入手続きWeb上で完結。最短即日対面で書類記入。数日〜1週間
向いている人自分で調べて判断できる人保険の知識がなく、一から相談したい人

「保険料の安さ」だけで選ぶならネット保険一択ですが、保険の知識に自信がない場合は、まず無料の保険相談窓口(FP相談)を利用し、自分に必要な保障の全体像を把握してからネット保険で契約する、という使い方が賢明です。

やってはいけない3つの失敗

1. 「とりあえず入っておく」で高額プランに加入

保険営業の定番トークに「若いうちに入ったほうが保険料が安い」「今なら特約がつけられる」があります。事実ではありますが、不要な保障に月々数万円を払い続けるのは貯蓄の機会損失です。必要な保障だけに絞れば、月額数千円で十分な保障を確保できます。

2. 貯蓄型保険を「貯金代わり」にする

終身保険や養老保険には「満期返戻金」がありますが、利回りは極めて低く、途中解約すると元本割れするのが一般的です。「保障と貯蓄は分けて考える」が鉄則です。貯蓄はNISAやiDeCoなどの資産運用で行い、保険は保障目的に特化させましょう。

3. 付き合いや義理で加入する

知り合いの保険営業に頼まれて断りにくかった、という理由で加入するのは最悪のパターンです。保険は数十年にわたって保険料を払い続ける長期契約です。人間関係への配慮で判断する金額ではありません。

まとめ

保険選びのポイントをおさらいします。

  1. 保険は「貯蓄では対応できないリスク」に備えるもの。万能ではない
  2. 独身なら最低限の医療保険で十分。高額な生命保険は不要
  3. 家族ができたら「定期保険(掛け捨て)」で死亡保障を確保するのがコスパ最強
  4. 高額療養費制度の存在を忘れずに。医療保険を過剰に手厚くする必要はない
  5. ライフステージが変わったら保障内容を見直す
  6. 保障と貯蓄は分けて考える。貯蓄型保険より掛け捨て+NISAのほうが合理的

保険は「お守り」ではなく「金融商品」です。感情ではなく、自分の家計とリスクに基づいて合理的に判断してください。社会人3年目でもまだ遅くありません。むしろ、若いうちに正しい知識を身につけておくことが、将来の家計を守る最大の保険です。