キャリア

30代の転職は遅い?データで見る転職市場のリアルと準備すべきこと

2026.02.24

「もう30代だし、転職は遅いかもしれない」。そう感じている人は少なくないはずです。しかし、結論から言えば30代の転職は決して遅くありません。むしろ、実務経験と専門性を武器にできる30代は、企業側から見ても採用メリットが大きい年代です。この記事では、データを元に30代の転職市場のリアルを整理し、転職を成功させるために準備すべきことを解説します。

データで見る30代の転職市場

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、30〜34歳の転職入職率は男性9.1%、女性12.4%です。35〜39歳でも男性7.7%、女性10.1%と、20代と比べて大幅に下がっているわけではありません。

年齢層転職入職率(男性)転職入職率(女性)
25〜29歳14.1%14.1%
30〜34歳9.1%12.4%
35〜39歳7.7%10.1%
40〜44歳5.5%9.6%

つまり、30代前半で約10人に1人、30代後半でも約12〜13人に1人が実際に転職しています。「30代で転職する人は少数派」というのは思い込みに過ぎません。

年収はどう変化するのか

転職で気になるのが年収の変化です。リクルートの調査(2025年)によると、30代転職者の約40%が「年収が上がった」と回答しています。一方で約25%は「下がった」と回答しており、転職すれば必ず年収が上がるわけではありません。

30代の転職で年収が上がるパターンは「同業界・同職種でのキャリアアップ」が最も多い。異業種・異職種への転職では一時的に年収が下がるケースが多いですが、3年後には元の水準を超えるケースも珍しくありません。短期的な年収だけでなく、中長期のキャリアパスで判断することが重要です。

30代が企業に求められる理由

20代がポテンシャル採用(将来性重視)であるのに対し、30代は即戦力採用です。企業が30代の転職者に期待しているのは以下のポイントです。

逆に言えば、「10年間で何も積み上がっていない」という状態が最もリスクです。現職での実績を棚卸しして、自分の「売り」を言語化できるかどうかが転職成功の鍵になります。

30代の未経験転職は可能か

「全くの未経験業界に30代で飛び込めるのか」。これは多くの人が気にするポイントです。結論としては、可能ですが条件があります。

未経験転職がしやすい業界

未経験転職で覚悟すべきこと

未経験転職を成功させるコツは、「完全にゼロ」の状態で飛び込まないことです。転職前に資格の取得、オンラインスクールでの学習、副業での実績作りなど、少しでも「学ぶ意欲と行動力の証拠」を用意しておくと、書類通過率が格段に上がります。

転職エージェントの賢い使い方

30代の転職では、転職エージェントの活用が事実上の標準になっています。ただし、エージェントは「使い方」を間違えると逆効果になります。

エージェントが提供してくれるもの

エージェントを使う際の注意点

転職前に準備すべき5つのこと

  1. キャリアの棚卸し — これまでの職歴で「何を」「どの規模で」「どんな成果を出したか」を具体的に書き出す
  2. 転職の軸を決める — 年収、やりがい、ワークライフバランス、勤務地。全部は手に入らないので優先順位をつける
  3. 生活費6ヶ月分の貯金 — 退職してから探す場合の安全ネット。在職中に転職活動するのがベストだが、万が一のために
  4. 職務経歴書のアップデート — 3年以上更新していない人は多い。最新の実績を反映させておく
  5. 社内で異動の選択肢を検討する — 転職だけが解決策ではない。不満の原因が「会社」ではなく「部署」や「上司」であれば、社内異動で解決する場合もある

まとめ

30代の転職は「遅い」のではなく、「戦い方が変わる」だけです。20代のようにポテンシャルで勝負するのではなく、実務経験と専門性を武器にする。そのためには、自分のキャリアを客観的に棚卸しし、「自分は何ができるのか」を明確に言語化する準備が不可欠です。転職するかどうかはさておき、自分の市場価値を把握しておくこと自体が、キャリアを主体的にコントロールする第一歩になります。