「片づけたのに、1週間で元通り」。そんな経験を繰り返していませんか。片づけが苦手な人に足りないのは、やる気ではなく「仕組み」です。一時的にきれいにするのではなく、散らからない状態を維持するためのルールを身につければ、部屋は自然と片づいたままになります。この記事では、整理収納のプロが実践している「リバウンドしない5つのルール」と、場所別の具体的な片づけ手順を紹介します。
なぜ片づけてもリバウンドするのか
片づけのリバウンドが起きる最大の原因は、「モノを移動しただけで、減らしていない」ことです。散らかった机の上のモノを引き出しに押し込む。床に置いてあった服をクローゼットに詰め込む。これは片づけではなく「隠す」行為です。収納スペースには限界があるため、隠し場所がなくなった瞬間にまた散らかります。
もうひとつの原因は、モノの「定位置」が決まっていないことです。使ったモノを元に戻す場所がなければ、とりあえずテーブルの上や床に置くしかありません。この「とりあえず置き」が積み重なって、部屋は散らかっていきます。
ルール1:「全部出す」から始める
片づけを始めるとき、多くの人は「いらないモノを探す」ところからスタートします。しかし、これでは収納の中に何があるか全体像が把握できず、判断が甘くなります。正しいやり方は、まず対象エリアのモノを「全部出す」ことです。
たとえばクローゼットを片づけるなら、中身をすべて床やベッドの上に出します。引き出しなら、引き出しごとひっくり返す。全体が見えると「こんなに持っていたのか」という実感が湧き、手放す判断がしやすくなります。
全部出すときのポイント
- 1回につき1エリアだけ — クローゼット全部、ではなく「上段だけ」「引き出し1段だけ」のように範囲を区切る。広げすぎると途中で疲れて中断し、余計に散らかる
- 「使っている」「使っていない」「迷う」の3つに分ける — 迷うモノは別の箱にまとめ、1ヶ月後に再判定する。その間一度も箱を開けなければ、答えは出ている
- 所要時間を決めてから始める — 「30分だけ」と決めると集中力が保てる。終わらなければ翌日に続ける
ルール2:モノの適正量を決める
モノが増え続ける人は、「いくつ持つべきか」の基準がありません。セールで安かったから、便利そうだから、という理由で買い足していくと、気がつけば同じ用途のモノが何個もある状態になります。
適正量とは、「自分の生活で実際に使い回せる数」のことです。カテゴリごとに上限を決めておくと、買い物のときに「これ以上は増やさない」と判断できるようになります。
| カテゴリ | 適正量の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| トップス(普段着) | 7〜10枚 | 週5日の通勤+休日2日分。洗濯頻度に合わせて調整 |
| ボトムス | 4〜6本 | トップスより着回しがきくため少なめでOK |
| タオル | 家族の人数×3枚 | 使用中・洗濯中・予備の3ローテーション |
| 食器 | 家族の人数+来客2名分 | 「いつか使う」来客用セットは不要。必要なら紙皿で対応 |
| 文房具 | 各種1本ずつ | ボールペン3本、はさみ2本は持ちすぎ |
ルール3:定位置を決めて「戻す」を習慣にする
片づいた部屋を維持するために最も重要なのが、すべてのモノに「定位置(住所)」を決めることです。鍵はここ、リモコンはここ、郵便物はここ。置き場所が決まっていれば、使った後に「戻す」だけで部屋は散らかりません。
定位置を決めるコツ
- 使う場所のそばに置く — 玄関で使う鍵は玄関に。リビングで使うリモコンはリビングに。動線を意識して、取り出しやすく戻しやすい場所を選ぶ
- 使用頻度で配置を変える — 毎日使うモノはワンアクションで取れる場所に。月1回しか使わないモノは奥や高い場所でOK
- 家族がいる場合はラベルを貼る — 自分だけがわかる配置では、家族は元に戻せない。引き出しや箱にラベルを貼ると全員が守れるルールになる
「片づけなさい」と言わなくても、定位置さえ決まっていれば「元に戻すだけ」で済みます。片づけの手間を限りなくゼロに近づけるのが、定位置管理の本質です。
ルール4:1つ買ったら1つ手放す
モノの総量を一定に保つための最もシンプルなルールが「ワンイン・ワンアウト」です。新しいシャツを1枚買ったら、古いシャツを1枚手放す。新しいマグカップを買ったら、使っていないマグカップを1つ処分する。
このルールがあると、買い物のたびに「本当にこれが必要か?今持っているモノのどれを手放すか?」と考えるようになります。衝動買いが減り、結果として本当に気に入ったモノだけが手元に残ります。
ルール5:「いつか使う」は捨てるサイン
片づけで最も判断が難しいのが、「まだ使えるけど、今は使っていない」モノです。壊れていない家電、サイズが合わなくなった服、読みかけの本。「いつか使うかもしれない」と思って残すモノは、ほとんどの場合その「いつか」が来ません。
手放す判断の基準
- 1年以上使っていないモノ — 季節モノを除き、1年間出番がなかったモノは今後も使わない可能性が高い
- 同じ用途のモノが複数あるとき — 一番気に入っているもの以外は手放す。「2番目に好き」は結局使わない
- 「もったいない」だけが理由のモノ — 使わないモノを持ち続けること自体がスペースのムダ。「もったいない」の正体は「買ったことへの後悔」であり、モノを残しても後悔は消えない
- 存在を忘れていたモノ — 「全部出す」で発見されたモノは、なくても生活できていた証拠
迷ったときは「これがなかったら買い直すか?」と自分に聞いてみてください。答えが「No」なら、それは手放していいモノです。
場所別の片づけ手順
5つのルールを理解したら、実際に手を動かしましょう。おすすめの順番は「小さい場所から始めて成功体験を積む」ことです。いきなりクローゼット全体に挑むのではなく、引き出し1段、洗面台の下など、30分以内に終わる範囲から始めます。
クローゼット・衣類
- すべての服を出して床に並べる
- 「今シーズン着た服」と「着なかった服」に分ける
- 着なかった服のうち、来シーズンも着る確信がないものは手放す
- 残す服だけをカテゴリ別(トップス・ボトムス・アウター)に戻す
キッチン
- 引き出し・棚を1つずつ全部出す
- 賞味期限切れの食品、欠けた食器、使っていない調理器具を処分する
- 毎日使うモノ(箸・茶碗・フライパン等)を最も取り出しやすい場所に配置する
- 同じ用途の調理器具が複数ある場合は、よく使う方だけ残す
デスク・書類
- デスクの上をすべて空にする
- 書類は「要対応」「保管必須(契約書等)」「それ以外」に分ける。「それ以外」はすべて処分
- 文房具は各種1本に絞り、ペン立て1つに収まる量にする
- デスクの上に置くのは「毎日使うモノ」だけ。それ以外は引き出しへ
洗面所・バスルーム
- 使いかけのシャンプー・化粧品をすべて出す
- 使い切れていないモノ、肌に合わなかったモノは処分する
- ストックは各1個まで。「安いからまとめ買い」はスペースを奪う原因
- タオルは適正量(家族人数×3枚)に減らす
まとめ
片づけてもリバウンドする原因は、やる気の問題ではなく「仕組み」の問題です。「全部出す」「適正量を決める」「定位置を決める」「1イン1アウト」「いつか使うは捨てるサイン」。この5つのルールを習慣にすれば、片づけは「毎回がんばるイベント」から「勝手に維持される状態」に変わります。まずは引き出し1段から。30分だけ時間を取って、今日から始めてみてください。